2018 11.22 (Thu)

リリース

アルバムをつくることで、子どもへの愛着が生まれる事を実証

大阪教育大学とのIAT(潜在的連合テスト)を用いた心理実験で明らかに

アルバム研究

ナカバヤシ株式会社は、大阪教育大学の研究チーム(代表者:大阪教育大学 教育学部教員養成課程家政教育講座 准教授 小崎 恭弘)と進めている「子育てにおける写真及びアルバムの意義に関する実証的研究」をテーマにした受諾契約研究における心理実験結果を2018年11月に発表。『アルバムづくりが子どもへの愛着を形成する』という効果が実証されました。

 

研究背景と目的について

写真のデジタル化が主流になった今般、当社はアルバムづくりの意義や効果を、これまでの“感覚的”な判断ではなく、“学術的”な解明・実証を進めるため、大阪教育大学の研究チームと2016年4月より受諾契約研究を行っています。
この度、「フォトアルバムの作成による対象児童への愛着形成に関する検討」をテーマに、アルバムをつくることで、対象の子どもに対し愛着形成をするか否かを心理実験により実証しました。

 

研究の手法について

実験は、大阪教育大学の学生42名を対象に行われました。(実施期間:平成30年2月~7月)
【学習(親和性)フェイズ】・【テストフェイズ】の2つのフェイズで構成し、IAT(潜在的連合テスト)を実施。アルバム、デジタルアルバム、写真のみを記憶、というアルバムづくりに関する行動3種が、愛着形成に寄与するのかを、心理学上確立した実験方法を用いて検証します。

 

アルバム研究

 

学習(親和性)フェイズ
被験者を3つのグループ(A~C)に分け、グループごとに作業を行います。
A)モニターに表示される子どもを記憶するグループ
B)タブレットPCを用いてアプリ上でデジタルアルバム(※)編集を行うグループ
C)アルバム(※)を実際に用いて編集を行うグループ
※デジタルアルバム・アルバムは共に編集作業(写真収納・デコレーション)までを行う
テストフェイズ
学習(親和性)フェイズの作業後、全ての被験者へ子どもに対する潜在的な愛着を測定するための心理実験として、1)~3)の流れを計90回ずつ行います。
1)モニターに、学習フェイズで使用した子どもの写真やテストフェイズで初めて見る別の子どもの画像を表示する
2) 子どもの画像を1枚表示する毎に、ポジティブ語(例:愛情)・ネガティブ語(例:破産)またはどちらでもないニュートラル語(例:漁港)を表示する
3) ポジティブ語またはネガティブ語であれば指定のキーを押し、ニュートラル語(どちらでもない単語)であれば、キーを押さないままで待機してもらう

 

研究の結果について

(IAT実験において、表示された対象に対して愛着が深いほど、ポジティブ語に対するキー押下の反応が無意識に早くなり、一方でネガティブ語に対しては反応が遅くなることが分かっています。)

結果、アルバム・デジタルアルバム・写真のみを記憶、という3種のうち、アルバムを実際に用いる方法が、対象児童への愛着を明確に形成することが明らかになりました。
アルバム編集を実際に行った被験者(Cグループ)は、モニターに学習(親和性)フェイズの作業時に見た馴染みのある子どもの画像が表示された際、初めて表示された(面識がない)子どもの画像が表示された場合と比較して、ポジティブ語に対するキー押下反応が0.1683秒早いという差が見られました。
また、デジタルアルバム(Bグループ)は0.0457秒、画像の記憶のみ(Aグループ)は0.0332秒と大きな差は認められませんでした。(※)
なお、ネガティブ語に対しては被験者ごとの大きな差はありませんでした。 (※)被験者数と反応差の秒数については、心理学上、根拠に値する数値です。

 

アルバム研究

結果の詳細については、論文資料(平成30年7月31日紀要受付)をご参考ください。
Webサイト「アルバム研究所」(URL:https://album-labo.com/)でも、同内容を一般公開しています。

 

まとめ

『PCやスマートフォン等の端末で写真を見る・デジタル上でまとめる・自動で整理されたアルバムを見る』という行動が当たり前になっている昨今、『ただ、写真を見ているだけでは子どもに対する愛着は形成されず、アルバムをつくることで愛着が形成される』という“学術的”な効果の実証が得られたことで、今後、子育てに対するアルバムの考え方を見直していただく機会に繋がることを期待しています。

今年でフエルアルバムの発売50周年を迎えた弊社は、2016年から開始しているアルバム研究において、これまでもアルバムづくりが子どもの成長に与える影響などを明らかにしています。
引き続きアルバムに関する研究を継続し、潜在的ニーズや市場変化に対応した商品開発や訴求、学術的な研究活動など、アルバム文化の啓蒙活動を続けてまいります。

 

研究内容について

テーマ 「フォトアルバムの作成による対象児童への愛着形成に関する検討」
(平成30年7月31日紀要受付)
研究代表者 小崎 恭弘 (大阪教育大学 教育学部教員養成課程家政教育講座 准教授)
城戸 楓 (大阪教育大学 情報処理センター 特任助教)
研究開始 2016年4月
研究発表日 2018年11月22日
研究の主旨 実際に子どものアルバムを作成することで、写真に映っている子どもに対して愛着を抱くようになるのかを、心理実験を用いて実証
研究論文資料 フォトアルバムの作成による対象児童への愛着形成に関する検討(PDF)

 

小崎 恭弘氏(こざき やすひろ)プロフィール
大阪教育大学教育学部教員養成課程家政教育講座(保育学) 准教授
1968年生まれ、(兵庫県出身)
1997年 武庫川女子大学大学院臨床教育学研究科終了
2009年 関西学院大学大学院人間福祉研究科後期博士課程満期退学

西宮市市役所初の男性保母として1991年に採用。市役所退職後、神戸常盤大学を経て、現職。
専門は「保育学」「児童福祉」「子育て支援」「父親支援」など。
城戸 楓氏(きど かえで)プロフィール
2009年 大阪府立大学 博士前期課程 人間社会学研究科人間科学専攻 心理臨床コース 卒業
2014年 大阪府立大学 博士後期課程 人間社会学研究科人間科学専攻 心理教育課程 単位満了退学
2014年 大阪府立大学 博士号(心理学分野) 取得

 

※プレス・リリースの内容は、発表当時のものです

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