2016 10.13 (Thu)

リリース

「アルバム“いい話”コンテスト」結果発表

心温まるエピソードがたくさん集まりました

ナカバヤシ株式会社は、2016年7月14日から9月5日まで実施していた「アルバム“いい話”コンテスト」の結果発表を2016年10月13日に弊社運営Webマガジン“アルバムをつくろう”特設ページ上で行いました。応募総数309件の中から5作品が優秀賞を受賞しました。

 

 

 

 

結果発表

「アルバムにまつわる“いい話”」というテーマで集まったエピソードは309件でした。
普段からアルバムのある生活を楽しんでいらっしゃる方や、このコンテストをきっかけでアルバムを
見返した方などから、多くのエピソードをお寄せいただきました。
その中から、アルバムをつくっていたからこそ生まれた心温まる5作品が優秀賞として選出されました。

■優秀賞 (5名)
「繋ぐもの」 (Hiroko.Kさん)
「赤いリボン」 (星野 有加里さん)
「アルバム力で夫婦円満」 (どんぐりころ代さん)
「それは、きっかけの詰め合わせ」 (うずらさん)
「奇跡」 (くーこさん)

※グランプリの選出はありませんでした。
※別紙にて全文を掲載しています。

 

審査基準

第一の審査基準として「アルバムがあったからこそ」生まれたエピソードであるか、という点に注目して選出を行いました。
アルバムが特別な「役割」を担っており、性別や年代を超えた「共感性」を持ち、文章の行間から情景が頭に思い浮かぶような5作品を選出しました。

※弊社運営Webマガジン「アルバムをつくろう。」特設ページ上にて各受賞作品の審査コメントを掲載中です。

 

アルバム“いい話”コンテストの概要

アルバムの存在価値や良さを改めて感じるきっかけにして頂くことを目的として、「アルバムにまつわる“いい話”」をテーマに弊社運営Webマガジン“アルバムをつくろう”ページ上でエピソードを募集しました。

ナカバヤシは「アルバムの日(12月5日)」の制定や、アルバム編集グッズを多く揃えたアンテナショップ「N-SQUARE × Stationery Market(エヌスクエア バイ ステーショナリーマーケット)」(2016年6月、大阪・なんばマルイにオープン)の運営、WEBマガジン「アルバムをつくろう。」における情報発信、アルバム編集のワークショップ「アルバムスクエア」の開催など、アルバムの良さを伝えるための啓蒙活動を継続しています。

「思いを守る、明日へつなぐ」という企業スローガンの下、必要な写真の数だけ台紙が増える「フエルアルバム」をはじめ、ネットで簡単につくれる写真集「フエルフォトブック」など、思い出を整理し残すための製品やサービスをこれからもご提供してまいります。

 

コンテスト概要

[募集テーマ] 「アルバム“いい話”コンテスト」
[募集期間] 2016年7月14日から9月5日まで
[応募総数] 309件
[受賞作品] 優秀賞 (副賞:QUOカード 1000円分)
    「繋ぐもの」  (Hiroko.Kさん)
    「赤いリボン」  (星野 有加里さん)
    「アルバム力で夫婦円満」  (どんぐりころ代さん)
    「それは、きっかけの詰め合わせ」  (うずらさん)
    「奇跡」  (くーこさん)
    以上5名
    ※グランプリの選出はありませんでした。
[結果発表]
    弊社運営Webマガジン「アルバムをつくろう。」 特設ページ上にて
     【URL】 http://album-tukurou.com

 

優秀賞作品のご紹介

「繋ぐもの」 (Hiroko.Kさん)    

昔から我が家ではアルバムがすぐに開ける場所にあった。
絵本のようにして開いては、母と父がまだ幼い私と姉に「これが結婚する前のお母さん、お父さん」といったように、家族の歴史を写真を眺めながらよく語ってくれたものだった。 
でも成長していくうちにいつの間にかアルバムをゆっくり開く時間もなくなり。 高校時代はグレてしまってろくに家にも帰らず、そのまま進学で18歳で上京。 アルバムをじっくり開けたのはいつだったかさえもよく分からなくなっていた。 
あんなにグレていた私も真面目に働いて、30歳を目前に結婚が決まり。 私は夫と共に久々に実家へ帰省した。 父と母は喜んで私たちを迎えてくれ、沢山のご馳走を振舞った後、懐かしい物を取り出してきた。 昔よく眺めていたアルバムだった。 懐かしいな…と眺めていると、アルバムの間に何かが挟まっていた。
私が描いた自画像だった。
「あれ、これ…」 高校生の時グレた私を思い切り叱った父と母。
それが愛情だと分からなかった私は、居間に飾ってあった自分の自画像をびりびりに割いて捨てたのだった。 あの時捨てたはずの自画像なのに、それはパズルのピースのように組み合わされて、 テープで丁寧に止めて修復されていた。
「お父さんが直して保管してたんだよ」 涙をこらえる私に母がそうそっと教えてくれた。 それを見て父が照れくさそうに笑った。 あの時バラバラになった家族の絆をアルバムは一瞬でまた繋いでくれたのだった。
お父さん、お母さん、私も素敵なアルバムが作れる家庭を築けるよう頑張るね。

 

「赤いリボン」(星野 有加里さん)

「せめてお兄ちゃんぐらいは呼んだらどう?たった一人の兄なんだし」
結婚式は親戚も友人も呼ばずに親だけ呼ぶと言った私に、母は不満顔だった。 もう決めた事だからと不愛想に突っぱね、淡々と引っ越し準備を続ける。 気も合わず不仲で、ここ数年は疎遠の兄を呼ぶつもりは毛頭なかった。
「アルバムも持っていけ」 居間に父が現れ、一冊のアルバムを私に差し出す。カメラが趣味の父は、昔からずっと鬱陶しいくらい 家族写真も撮り続けている。だから、我が家には沢山のアルバムがある。
「いいよ、部屋狭いし、置くとこもないし…」 私が渋っていると、父はパラパラっとアルバムをめくり、一枚の写真を指差す。
「ゆかり、これ、覚えているか?」 あっと、息を呑んで、その写真を凝視した。
赤いリボンを胸に付けた涙目の体操服姿の私。その隣で、ツンっとすました顔の兄。 赤いリボンは、一位の証。…これは確か、私が4年生で、兄が六年生の時だ。 運動会の徒競走で、隣の子とほぼ同時ゴールだった。半泣きになりながら審議の結果を待ち、 神様お願いと、心の中で必死に祈っていると、突然、叫び声が響いた。
「ゆかりの方が早かった!一位はゆかりだ!」 審議中の先生の輪の中へ、なんと兄が乱入したのだ。…その結果かどうかは不明だが、私は一位と判定された。
…そういえば、こんなこともあったっけ。 複雑な感情が込み上げ、心を揺さぶる。 赤いリボンを見つめながら、ぶっきら棒に呟いた。
「別に、呼んでもいいけど……お兄ちゃんも」

 

「アルバム力で夫婦円満」(どんぐりころ代さん)

結婚の決め手はアルバムだった。彼の家に遊びに行ったときに見せてもらった子ども時代のたくさんの写真、 お母さんの明るいコメントが添えてある。
当時は携帯もデジカメもなく、写真は貴重だった。一枚一枚に「家族」を感じて、 写真が趣味で普段からカメラを持ち歩いている彼の原点を見た気がした。 アルバムを開くと寡黙な彼がしゃべり出す。その話から家族仲の良さを感じて温かい気持ちになり、 彼となら素敵な家庭を築けると思った。今思えば、最初の「アルバム力」だ。 間もなくして、彼からプロポーズされた。
「家族のアルバムをいっぱい作ろう」 あれから十五年。以前、仕事ばかりで家庭を顧みない彼に堪忍袋の緒が切れたことがあった。 そのとき、最新のアルバムが曲がっているのに気づいて手に取ると、写真が増えていた。 テレビを見ている私を後ろから撮った一枚。 横には「妻不機嫌、原因はボク」という彼のコメント。ハッとした。彼は私のことを十分気にかけてくれている。 アピール下手な分、私が気づけていないだけなのだと。
しばらく昔の写真をたどった。
「今晩は彼が好きな煮込みでも作ろうかな」 アルバムをしまう頃には、気持ちはすっかりリセット。これも「アルバム力」か。 
先日、友人に聞かれた。「結婚して正解だったと思う?」 彼の顔とアルバムが頭に浮かんだ。彼との歴史が走馬灯のように流れ、私はうなずいた。

 

「それは、きっかけの詰め合わせ」(うずらさん)

このごろ物忘れが酷くなった、と祖母は言います。それでも、何かきっかけがあれば思い出せるから、 少し待っていてほしい、とも言います。
アルバムはそんな祖母の、「きっかけ」の詰め合わせなのです。 祖母のアルバムに詰まっているのは、旅行などの特別な日の写真ばかりではありません。 ベランダに咲いた花の写真、友人からの絵はがきや、お料理のレシピの切り抜き、 日常の何気ない出来事を記した、日記までもが入っています。 
祖母はアルバムを見て、「ああ思い出した。この時はね……」と語り始めます。その語りの長いこと。 どうやらアルバムは、祖母の記憶のみならず、アルバムを作った時の気持ち、 写真や文字に込められた想い、祖母の感情や若さまで、蘇らせるようなのです。 アルバムをきっかけに、思い出が思い出を呼び、祖母のおしゃべりは止まりません。
「大切な思い出は、きちんと『ばっくあっぷ』しておかないとね」 そんな言葉まであやつる祖母は、まだまだ老いとは無縁なようです。

 

「奇跡」(くーこさん)

私は、42 歳の今は3児の母です。夫とは20代の頃に出会いました。
最近、母がやってきて私の小さい頃のアルバムを持ってきました。 最初はひとりで見ていたのですが、途中から子供と夫が一緒に見始めました。 夫がいきなり声を上げて、びっくりした様子である写真を指さしたのです。 
そのアルバムの写真は、私が砂場でピースしてる写真でした。 なんとそこに滑り台に、滑っている夫が写っていたのです。 
まさに奇跡だと思いました。何十年も前から私たちは会ってたんです。 アルバムを見返すと新たな発見があるかもしれません。 私も子供の写真を撮りためていたので、これからアルバムにして、いつか子供が見返す時に色んなことを思い出してくれると嬉しいと思っています。 
アルバムが起こした奇跡の話でした。

 

※プレスリリースの内容は、発表当時のものです。

一覧へ戻る

PAGE TOP